城下町の風情を最も色濃く残す、壇具川(だんぐがわ)沿いの隠れた名所。

長府の散策ルートとして人気の壇具川沿いを歩いていると、ひと際重厚な平屋の建物が目に入ります。

それが「長府藩侍屋敷長屋(ちょうふはんさむらいやしきながや)」です。

一見すると質素な長屋に見えますが、近づけばその堅牢な造りに驚かされるはず。上級藩士の屋敷の一部を移築保存したこの建物は、当時の武士の格式と暮らしぶりを今に伝える貴重な遺構です。


1. ただの長屋ではない!上級武士の「重厚」な建築

この建物はもともと、長府藩の家老職を務めた西家の分家(御馬廻役・220石)の本門に付属していた長屋でした。

現在の場所へは保存のために移築されたものですが、その建築には一般的な長屋とは違う「格」が見て取れます。

  • 仲間部屋格子窓(ちゅうげんべやこうしまど):特に注目してほしいのが、格子窓の造りです。太くしっかりとした格子は、ここが単なる庶民の住居ではなく、警備や防衛の機能も兼ね備えた武家屋敷の一部であったことを物語っています。
  • 本門付属の長屋:中央に出入り口があり、門としての機能を持ちながら、両脇に家臣たちが控える部屋がある構造です。当時の上級武士の屋敷がいかに広大で厳重だったかが想像できます。

2. 藩主を守る「番所」があった場所

建物自体の歴史もさることながら、この建物が建っている「場所」にも深い歴史があります。

壇具川沿いのこの地は、かつて**「番所(ばんしょ)」**が設けられていた場所でした。

  • 城下町の検問所:ここより南側は長府藩主の居館(現在の豊功神社付近)があるエリアだったため、ここに関所を設け、人の出入りを厳しく監視していました。現在は、川のせせらぎとホタルで有名なのどかな場所ですが、かつては緊張感漂う防衛ラインだったのです。

Editor’s Note: 壇具川散策の休憩スポット

この長屋の内部は、時期によっては休憩所やギャラリーとして開放されていることがあります。また、目の前を流れる壇具川は、夏はホタル、春は桜、そしてカモや鯉が泳ぐ癒やしのスポット。長屋の縁側に座って川面を眺める時間は、長府散策のハイライトになりますよ。


基本情報 (Access & Info)

項目詳細
施設名長府藩侍屋敷長屋
住所山口県下関市長府侍町1丁目1-1
見学無料(外観自由・内部公開は要確認)
アクセスJR「下関駅」からバス約23分、「城下町長府」下車、徒歩約15分
駐車場なし(近隣のコインパーキング等を利用)
お問い合わせ083-246-1120(長府観光会館)

よくある質問 (FAQ)

Q. 建物の中に入れますか?

常時開放されているわけではありませんが、イベント時や日中は扉が開いており、土間や内部を見学できることがあります(無料)。開いていたらぜひ中に入って、頑丈な梁(はり)などを観察してみてください。

Q. 「侍町(さむらいまち)」という住所ですか?

はい、この周辺の住所は「長府侍町(ちょうふさむらいまち)」と言います。その名の通り、かつて侍屋敷が並んでいたエリアで、現在も土塀や立派な門構えの家が多く残っています。

Q. 壇具川(だんぐがわ)とは?

神功皇后が朝鮮出兵の際、ここで壇(祭壇)の道具を揃えたという伝説から名付けられた川です。現在は環境保護活動によりホタルの名所として知られています。


【まとめ】

川のせせらぎを聞きながら、かつての侍たちの息遣いを感じる。

派手さはありませんが、長府という街の「深み」を味わえるのがこの長屋です。

壇具川沿いの散策中、ふと足を止めて、格子窓の向こうにある歴史を覗いてみてください。

By kyushutv

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