全く個人的な話ですが、俗にいう「観光写真」があまり好きではありません。正確に言えばお決まりの構図で三脚を立てて順光下の元、撮影に臨むというスタイルが好きではないだけです。
事実、写真の名作とされるものは大凡曇りもしくは雨上がりなど、多少荒れた天候か朝や夕方といった階調が出やすい時に撮影されています。
例で言えば、アンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間やアンセル・アダムスの風景写真ですね。世紀の名作とされるものでもそうです。
もちろん、九州テレビというメディアに携わっている以上、観光写真の重要性は粛々承知しています。
仕事では喜んで王道的な写真を撮影することができます。
しかし、写真とは何かと考えると、現代的な色や構図はさほど重要ではないと気づかされます。
今回のフォトアルバムでは、かなり古いオールドレンズでしかも一般的ではない画角ですので、一見すると奇妙で断片的な写真が多いですが、それは意図的なものです。
ただ歩いて観光するだけじゃなくて、よく見ると世界はまた一つ広く深くなる。そしてそれが視覚の生き物である人間にとって大切なことなことだと、この最近は思っています。