北九州市門司区、レトロな街並みが魅力の「門司港レトロ地区」。そのシンボル的存在として、ひときわ目を引くのが 旧大阪商船 です。
白亜の壁と赤い屋根のコントラストが美しい洋館は、1917年に建てられた 大阪商船株式会社の門司支店 。国の重要文化財に指定され、当時の華やかな時代を今に伝えています。
旧大阪商船の歴史を紐解く
海運の要衝、門司港
明治時代、門司港は、国内だけでなく、海外との貿易拠点としても重要な役割を担っていました。中国大陸や朝鮮半島への航路が開設され、多くの船が行き交う、まさに国際都市でした。
大阪商船の設立と発展
1884年、大阪商船株式会社が設立されました。大阪商船は、国内航路だけでなく、海外航路にも積極的に進出し、日本経済の発展に大きく貢献しました。
門司支店開設
1917年、大阪商船は、門司港に支店を開設しました。当時の門司港は、石炭の積み出し港として、また、大陸航路の拠点として、大変な賑わいを見せていました。
ビル建築の背景
門司支店は、大阪商船の九州における拠点として、重要な役割を担っていました。そのため、会社の威信をかけるべく、立派な建物を建設することになりました。
建築様式と設計者
建物の設計は、当時を代表する建築家、 河合浩蔵 が担当しました。彼は、東京駅丸の内駅舎の設計にも携わった人物です。
旧大阪商船は、 ネオ・ルネサンス様式 を基調とした、左右対称の美しいフォルムが特徴です。細部までこだわった装飾や、赤い屋根瓦が、優雅な雰囲気を醸し出しています。
戦後から現在まで
戦後、大阪商船は、商号を 大阪商船三井船舶 に変更。その後、1964年には、 三井船舶 となり、現在に至ります。
旧大阪商船ビルは、1995年に国の 重要文化財 に指定されました。その後、修復工事を経て、2000年から一般公開されています。
旧大阪商船 基本情報
項目 | 内容 |
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名称 | 旧大阪商船 |
所在地 | 〒801-0841 福岡県北九州市門司区海岸1-3-10 |
電話番号 | 093-321-6400 |
アクセス | JR門司港駅から徒歩約5分 |
開館時間 | 9:00~17:00 (入館は16:30まで) |
休館日 | 年末年始 |
入館料 | 無料 |
周辺情報
- 門司港レトロ展望室: 31階から関門海峡を一望できます。
- 門司港駅: 1914年に建てられたネオ・ルネサンス様式の駅舎は、国の重要文化財に指定されています。
- 国際友好記念図書館: 東洋文庫の分館で、貴重な資料を所蔵しています。
まとめ
旧大阪商船は、門司港レトロを代表する観光スポットです。歴史と文化を感じながら、美しい建築や景色を堪能してみてはいかがでしょうか?