毎年10月、国東半島に位置する櫛来地区は、熱気と興奮に包まれます。その中心となるのが、火を巡る奇祭「ケベス祭り」です。神聖な火を守る「トウバ」と呼ばれる若者たちと、災厄をもたらすとされる「ケベス」が、火を奪い合う勇壮な戦いを繰り広げます。その光景は、訪れる人々を太古の時代に引き戻し、息を呑むほどの迫力を感じさせます。

ケベス祭りの起源は、今も深い霧に包まれています。しかし、地元では、火の粉を浴びることで、1年間無病息災で過ごせると伝えられています。この言い伝えを信じて、毎年多くの人々が、火の粉が降り注ぐ中、そのご利益にあやかろうと集まります。

国東半島は、独自の文化と伝統が息づく神秘的な場所です。中でも、櫛来地区のケベス祭りは、その代表格と言えるでしょう。他では決して見られない独特の雰囲気と、神聖な儀式が織りなす神秘的な世界を、ぜひ一度ご自身の目で確かめてみてください。

【基本情報】

名称櫛来社秋の大祭(ケベス祭り)
開催場所大分県国東市国見町櫛来 大分県国東市 櫛来社(岩倉社)
開催日2024年10月14日(月)
アクセスJR日豊本線「杵築駅」から車約1時間40分もしくは「国東行」の大分交通バス「国東」乗換~「伊美行」のバス「古江」下車

【見どころ】

  • トウバとケベスの激闘: トウバは白い衣装を身にまとい、松明を手に、神聖な火を守ろうとします。一方、ケベスは恐ろしい形相のお面をかぶり、火を奪おうとトウバに襲いかかります。両者の間で繰り広げられる攻防は、まさに手に汗握る迫力です。
  • 火の粉が舞うクライマックス: 祭りのクライマックスでは、トウバが燃え盛る松明を振り回し、火の粉をまき散らします。この火の粉を浴びると、無病息災のご利益があるとされ、観客たちは我先にと火の粉に近づこうとします。
  • 怪しげなケベスのお面: ケベスが身につけるお面は、見る者をゾッとさせるほどの迫力があります。その由来や意味は謎に包まれていますが、祭りの象徴として、人々の心に深く刻まれています。

【歴史・文化】

  • 謎多きケベス祭りの起源: ケベス祭りの起源は定かではありませんが、一説には、平安時代末期に起こった争いが由来とされています。また、ケベスのお面は、かつてこの地を襲った疫病神を表しているという説もあります。
  • 火にまつわる信仰: ケベス祭りは、火を崇拝する古来からの信仰と深く結びついています。火は、生命の源であり、同時に災いをもたらす存在でもあります。ケベス祭りは、火の二面性を象徴する祭りとも言えるでしょう。
  • 国東半島の文化に触れる: 国東半島は、古くから山岳信仰が盛んな地域であり、数多くの寺院や神社が点在しています。ケベス祭りは、そんな国東半島の独特な文化を体験できる貴重な機会です。

【その他】

  • 周辺観光: ケベス祭り以外にも、国東半島には魅力的な観光スポットがたくさんあります。例えば、国東半島峯道ロングトレイルは、美しい自然の中を歩くことができる人気のトレッキングコースです。また、両子寺や文殊仙寺などの歴史ある寺院も訪れる価値があります。
  • グルメ: 国東半島は、海の幸、山の幸に恵まれた地域です。新鮮な魚介類を使った料理や、地元で採れた野菜を使った郷土料理など、ぜひ味わってみてください。
  • 宿泊: 国東半島には、温泉旅館やホテルなど、様々な宿泊施設があります。ケベス祭りの時期は混み合うことが予想されるので、早めの予約をおすすめします。

【注意】

  • 記事の内容は、2024年9月時点の情報に基づいています。最新の情報は、公式サイトなどでご確認ください。
  • ケベス祭りは、火を使う危険な祭りです。見学の際は、十分に注意してください。
  • 祭りの開催状況は、天候やその他の状況によって変更される場合があります。事前に公式サイトなどでご確認ください。

国東「ケベス祭り」は、その独特の雰囲気と迫力で見る者を圧倒する、まさに一生に一度は体験したい祭りです。ぜひ、2024年10月14日、国東半島櫛来地区を訪れ、この神秘的な祭典に参加してみてください。きっと忘れられない思い出になるはずです。

さあ、あなたも火の粉を浴びて、1年間の無病息災を祈願しませんか?

By kyushutv

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