
「みんなちがって、みんないい。」
その優しく、深い眼差しで小さな命を見つめた童謡詩人・金子みすゞ。
彼女の故郷は長門市仙崎ですが、実は20歳から26歳で亡くなるまでの最も感性豊かで多作だった時期を過ごしたのが、ここ**下関(唐戸エリア)**でした。
下関市役所近くの小さな公園「寿公園」にある金子みすゞ顕彰碑は、彼女が働き、詩を紡いだ書店「上山文英堂」の跡地近くに建てられた、みすゞファンにとっての聖地の一つです。
20歳のみすゞが青春を過ごした下関
大正12年(1923年)、20歳になった金子みすゞは、故郷の長門市から下関へと移り住みました。
彼女が働いていたのは、当時の下関で文化の拠点となっていた書店**「上山文英堂(かみやまぶんえいどう)」**。
彼女はこの店で働きながら、湧き出るように詩を書き綴り、雑誌『童話』などに投稿。西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と称賛され、詩人としての才能を一気に開花させました。
寿公園と「金子みすゞ詩の小径」
顕彰碑のある寿公園は、当時の上山文英堂本店があった場所(旧・西之端町)のすぐ近くに位置しています。
公園内には、彼女の代表作の一つである**『あるとき』**の詩が刻まれた碑がひっそりと佇んでいます。
唐戸エリアには、この寿公園以外にも彼女ゆかりの地や詩碑が点在しており、それらを結ぶルートは**「金子みすゞ詩の小径(こみち)」**と名付けられています。
レトロな建築巡りと合わせて、彼女の足跡を辿る文学散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
Editor’s Note: 唐戸観光の合間に
寿公園は、観光スポット「旧秋田商会ビル」や「南部町郵便局(旧赤間関郵便電信局)」からも徒歩圏内です。賑やかな唐戸市場から少し離れ、静かな公園で彼女の詩に触れる時間は、旅の良いアクセントになります。
基本情報 (Access & Info)
| 項目 | 詳細 |
| スポット名 | 金子みすゞ顕彰碑(寿公園) |
| 住所 | 山口県下関市南部町7番(寿公園内) |
| 見学 | 自由(24時間・無料) |
| アクセス | JR「下関駅」からバス約7分、「唐戸」バス停下車、徒歩約4分 |
| 駐車場 | なし(近隣のコインパーキングを利用) |
| お問い合わせ | 083-231-1350(下関市観光振興課) |
よくある質問 (FAQ)
Q. 「金子みすゞ詩の小径」とは何ですか?
唐戸エリア周辺にある、金子みすゞゆかりの場所や詩碑を巡る散策コースのことです。寿公園の顕彰碑のほか、亀山八幡宮や田中絹代ぶんか館周辺などにも詩碑があります。
Q. 寿公園はどこにありますか?
下関市役所のすぐ近く、旧秋田商会ビルなどのレトロ建築が並ぶエリアの裏手にあります。小さな公園ですが、散策の休憩スポットとしても利用できます。
Q. 近くに資料館などはありますか?
顕彰碑自体は屋外のモニュメントですが、車で約1時間ほどの長門市仙崎には、生家跡に建てられた「金子みすゞ記念館」があります。より深く彼女の世界に触れたい方は、そちらへも足を延ばすのがおすすめです。
【まとめ】
20歳の若き詩人が、下関の街角で何を感じ、どんな言葉を紡いだのか。
賑やかな唐戸の街の片隅にある「寿公園」で、みすゞの優しい心に触れてみてください。
「詩の小径」マップを片手に、文学散歩へ出かけましょう。