久留米市草野町、のどかな田園風景の中に佇む山辺道文化館。国の登録有形文化財に指定された、風格ある木造洋館は、かつて地域医療の拠点として人々の命と心を支えてきました。
地域医療の礎を築いた「中野病院」時代
- 移築の物語: 山辺道文化館の建物は、もともと久留米市花畑に建設中だったものを、大正3年（1914年）に草野町に移築し、中野病院として開院しました。当時の草野町は、医療機関が不足していたため、地域住民にとって待望の病院でした。
- 近代医療の導入: 中野病院は、最新の医療設備と技術を導入し、地域医療の向上に大きく貢献しました。医師や看護師たちは、献身的な医療活動を行い、多くの患者さんの命を救いました。
- 地域に根ざした医療: 往診や健康相談など、地域住民のニーズに応じたきめ細やかな医療サービスを提供。地域の人々から厚い信頼を得ていました。
- 医療従事者の育成: 若い医師や看護師の育成にも力を注ぎ、地域医療の担い手を育てました。
- 時代の変化: その後、高度経済成長期を経て、医療体制が大きく変化。病院の老朽化もあり、平成8年（1996年）に中野病院は閉院しました。
文化の灯台として再生
病院としての役割を終えた後も、地域の人々にとって大切な存在であったこの建物。その歴史的価値と地域への貢献を称え、文化施設として再生させることになりました。
- 保存と再生: 平成10年（1998年）、山辺道文化館として新たなスタートを切りました。建物の改修にあたっては、可能な限り当時の姿を保存。歴史を感じさせる趣のある空間が生まれました。
- 地域文化の拠点へ: 現在、山辺道文化館は、地域文化の交流拠点として、様々な活動が行われています。
- 展示室: 耳納北麓の歴史や文化に関する展示、地域作家の作品展、企画展などを開催。
- 体験学習室: 陶芸や木工、絵画などの体験教室を開催。地域の伝統文化を学ぶことができます。
- 会議室: 地域住民の会議やサークル活動、イベントなどに利用されています。
見どころ
- 貴重な建築様式: 九州でも珍しい大規模な木造洋風2階建ての建物は、大正時代の建築技術の粋を集めたもの。堂々とした外観、繊細なつくりの内観など、見どころ満載です。
- 展示室: 耳納北麓の歴史や文化に関する展示、企画展などを開催しています。
- 体験学習室: 陶芸や木工などの体験教室を開催しています。
- 会議室: 地域住民の交流の場として利用されています。
イベント情報
山辺道文化館では、年間を通して様々なイベントが開催されています。
- コンサート: クラシック音楽やジャズなどのコンサートが定期的に開催されます。
- 講演会: 歴史や文化に関する講演会が開催されます。
- 映画上映会: 話題の映画やドキュメンタリー映画が上映されます。
- ワークショップ: 子供から大人まで楽しめるワークショップが開催されます。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 〒839-0835 福岡県久留米市草野町草野487-1 |
| 電話番号 | 0942-47-3015 |
| 開館時間 | 10:00～17:00（入館は16:30まで） |
| 休館日 | 月曜日（祝日の場合は翌日）、祝日の翌日（土・日・祝日を除く）、年末年始（12月28日～1月4日） |
| 入館料 | 無料 |
| アクセス | JR「筑後草野駅」から徒歩約15分 西鉄バス「草野局前」から徒歩約2分 九州自動車道「久留米IC」から車で約20分 |
| 駐車場 | 16台 |
よくある質問
- Q. 館内は撮影できますか？
- A. 展示室内の撮影は禁止ですが、館内ロビーや外観は撮影可能です。
- Q. イベント情報は、どこで確認できますか？
- A. 山辺道文化館の公式サイトや、館内掲示で最新情報をご確認ください。
- Q. 館内に飲食施設はありますか？
- A. 館内に飲食施設はありません。近くにコンビニエンスストアや飲食店があります。
- Q. バリアフリー対応は？
- A. 車いす対応トイレやスロープが設置されています。
周辺情報
- 久留米つばき園: 約500品種の椿が咲き誇る、広大な椿園です。
- 久留米市世界のつばき館: 世界中の椿に関する資料を展示している施設です。
まとめ
山辺道文化館は、歴史と文化が息づく魅力的な場所です。
ぜひ、足を運んで、その魅力を体感してください。