熊本と大分の県境、杖立川の渓谷沿いに位置する「杖立温泉(つえたておんせん)」は、約1800年の歴史を持つ湯治場です。

街の至る所から立ち上る真っ白な湯けむりと、昭和の面影を残す路地裏「背戸屋(せどや)」が織りなす風景は、どこか懐かしく、そして最高にエモい。美肌の湯での「蒸し湯」体験や、名物「杖立プリン」の食べ歩きなど、心も体もデトックスできる癒やしの旅へご案内します。

💡 編集部メモ:

杖立温泉は「日本のサウナの原点」とも言える「蒸し湯」が有名。サウナーなら一度は訪れるべき聖地です。また、街中の蒸し場で食材を蒸して食べる体験は、ヘルシーで楽しい思い出になりますよ!


1. なぜ「杖立」なのか? 1800年の歴史と名前の秘密

「杖立」という少し変わった名前には、この温泉の強烈なパワーを示す由来があります。

弘法大師も感動した「杖を忘れる湯」

平安時代、弘法大師(空海)がこの地を訪れ、温泉の効能に感動して竹の杖を立てたところ、そこから枝葉が生えたという伝説があります。

しかし、最も有力で有名な由来はこちらの歌です。

「湯に入りて 病なおれば すがりてし 杖立ておいて 帰る諸人」

(温泉に入って元気になったので、来る時についてきた杖を、帰る時には置いて帰っていく)

つまり、「杖がいらないほど元気になる温泉」ということ。古くから長期滞在型の「湯治場(とうじば)」として栄え、多くの人々を癒やしてきた実力派の温泉地なのです。


2. 昭和レトロな迷宮!「背戸屋」と「蒸し場」を探検

杖立温泉の魅力は、温泉に入るだけではありません。カメラ片手に路地裏を歩くのが今のスタイルです。

迷路のような路地裏「背戸屋(せどや)」

川沿いの急斜面に建物が密集しているため、**「背戸屋」**と呼ばれる細く入り組んだ路地が無数に存在します。

屋根付きの通路や急な階段、生活感あふれる空間は、まるで昭和時代にタイムスリップしたような雰囲気。どこに繋がっているのか分からない迷路のような路地は、探検気分をくすぐる絶好のフォトスポットです。

セルフで楽しむ「蒸し場」体験

街のあちこちには、約98度の高温源泉を利用した「蒸し場」があります。

  • 利用方法: 多くの場所が24時間利用可能(無料・有料あり)。
  • 楽しみ方: 近くの商店で買った卵や野菜、鶏肉などを持ち込み、蒸気で一気に蒸し上げます。
  • 味: 余分な脂が落ち、素材の旨味がギュッと凝縮された蒸し料理は絶品!究極のヘルシーファストフードです。

3. 日本古来のサウナ「蒸し湯」で整う

杖立温泉の泉質は、肌触りが柔らかい「塩化物泉」。天然の保湿成分**「メタケイ酸」**を多く含み、美肌効果が高いとされています。

そして最大の特徴が**「蒸し湯」**です。

  • スタイル: 首だけを出して箱に入ったり、蒸気が充満した小部屋に入ったりする独特のスタイル。
  • 効果: 医療が発達していない時代から行われてきたデトックス法。全身から汗を吹き出し、血行を促進して体の芯から温まります。現代のサウナブームのルーツとも言える体験です。

4. 必食グルメ!湯けむりが生んだ「杖立プリン」

お風呂上がりの楽しみといえば、名物スイーツ「杖立プリン」です。

  • ルーツ: 昔、湯治客をもてなすために高温の蒸気で作った「甘露煮」などが始まり。
  • 現在: 旅館や商店がそれぞれのレシピで作っており、固め、なめらか、和風(ほうじ茶・抹茶)、フルーツ入りなど種類も豊富。
  • 楽しみ方: 現地で「プリンマップ」を手に入れて、好みのプリンを食べ歩くのが定番コースです。

5. 春の絶景「鯉のぼり祭り」発祥の地

毎年4月~5月には、杖立川の上空を約3,500匹もの鯉のぼりが泳ぎます。

実はこの**「鯉のぼり祭り」、杖立温泉が発祥**と言われています。谷間を吹き抜ける風に乗って泳ぐ色とりどりの鯉たちの姿は圧巻。春のドライブデートには外せないイベントです。


6. 復興と未来へ

2020年(令和2年)7月の豪雨災害で甚大な被害を受けましたが、地域一丸となって復興を遂げました。

古き良き湯治場の風情を守りながら、リノベーションされたカフェや施設もオープンするなど、新しい魅力も生まれています。訪れることが、何よりの応援になります。


杖立温泉 基本データ

項目内容
スポット名杖立温泉(つえたておんせん)
住所熊本県阿蘇郡小国町下城
泉質塩化物泉(弱食塩泉)、源泉温度約98度
名物蒸し湯、杖立プリン、蒸し場料理
イベント鯉のぼり祭り(4月~5月)
アクセス【車】大分道「日田IC」より約40分
【バス】日田バスセンターよりバスで約40分
お問い合わせ0967-48-0206(杖立温泉観光協会)
公式サイト杖立温泉観光協会

まとめ

1800年の歴史が生んだ「杖立温泉」は、ただ浸かるだけではない、五感で楽しむエンターテインメント温泉地です。

路地裏「背戸屋」で迷子になり、蒸気で蒸した卵を頬張り、レトロなプリンでひと休み。そして最後は「蒸し湯」で極上のデトックス。

「杖を忘れる」ほど元気になるこの場所で、日々の疲れをリセットしてみませんか?

By kyushutv

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