福岡市東区の志賀島は、万葉集に23首もの歌が詠まれた、歌人たちに愛された島です。
美しい自然の中で、古代の人々の想いに触れることができる、ロマンチックな旅に出かけませんか?
志賀島と万葉集の深い繋がり
万葉集は、奈良時代に編纂された日本最古の歌集です。志賀島は、遣新羅使(けんしらぎし)など、多くの人々が行き交う場所でした。彼らは、旅の途中で見た景色や、故郷を思う気持ちなどを歌に詠み、万葉集に残しました。
志賀島には、現在も10基の万葉歌碑が建立されています。歌碑に刻まれた歌を読みながら、当時の風景に思いを馳せることができます。
志賀島を彩る万葉歌碑
志賀島に点在する万葉歌碑をご紹介します。
- 1号歌碑(志賀海神社境内): 「わすれじの 志賀の神ならば けだしも ふねの舳先(へさき) 廻(めぐ)らしもてなむ」
- 意味:鐘の岬を過ぎても、志賀の神を忘れずに、船の舳先を廻らして、お守りください。
- 海の安全を祈る歌です。
- 4号歌碑(潮見公園(志賀山頂)): 「あさりする あまのつり舟 い行き廻る 沖つ白波 よるべ知らずも」
- 意味:朝早く漁に出て、夜明けとともに家路を急ぐ海人の楫の音が聞こえる。沖の白波は寄る辺を知らない。
- 漁をする海人の様子を詠んだ歌です。
- 10号歌碑(休暇村海岸(沖津宮)): 「潮干(しおひ)潟(がた) 潮満ち来れば かくのみや 思ほゆるかも 沖つ白波」
- 意味:潮が引いた干潟に、潮が満ちてくると、このように私の心も満たされる。沖の白波よ。
- 潮の満ち引きと心の動きを重ねた歌です。
その他にも、島内の様々な場所に歌碑が点在しています。
歌碑番号 | 場所 |
---|---|
2号歌碑 | 志賀島国民休暇村西側 |
3号歌碑 | 国民宿舎「しかのしま苑」跡地海岸 |
5号歌碑 | 休暇村宿舎前 |
6号歌碑 | 蒙古塚海岸 |
7号歌碑 | 勝馬海水浴場海岸 |
8号歌碑 | 志賀島小学校前バス停付近 |
9号歌碑 | 棚ヶ浜海岸(志賀小南西) |
万葉歌碑巡りの楽しみ方
- 歌の意味を調べてから訪れると、より深く万葉の世界に浸ることができます。
- 歌に詠まれた風景を想像しながら、現在の志賀島の景色を眺めてみましょう。
- 金印公園や志賀海神社など、他の観光スポットと合わせて巡るのもおすすめです。
アクセス
項目 | 内容 |
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福岡市内から | 博多港から市営渡船で志賀島へ(約30分) |
島内移動 | バス、レンタサイクル、徒歩 |
まとめ
志賀島は、万葉集の世界を体感できる、魅力的な島です。歌碑を巡りながら、古代の人々のロマンに触れてみませんか?