石橋文化センターの豊かな自然に囲まれた久留米市美術館。九州ゆかりの近代美術を中心に、多彩な展覧会を開催し、訪れる人々を魅了しています。

久留米市美術館の歴史を紐解く

久留米市美術館の物語は、1956年に開館した石橋美術館から始まります。ブリヂストンの創業者である石橋正二郎氏が、郷土への深い愛情と文化振興への熱い思いから私財を投じ設立しました。

石橋氏は、単なる美術館ではなく、地域の人々が芸術に触れ、心を豊かにする場を創り出すことを目指しました。その想いは、開館当初から開催されてきた、子ども向けの展覧会やワークショップにも表れています。

開館以来、石橋美術館は、郷土ゆかりの作家や近代美術の作品を中心に収集し、数々の展覧会を開催してきました。

  • 1960年代: 地元出身の洋画家、坂本繁二郎の回顧展を開催。大きな反響を呼び、美術館の知名度向上に貢献しました。
  • 1970年代: 海外の美術を紹介する展覧会を積極的に開催。地域の人々に、国際的な視野を広げる機会を提供しました。
  • 1980年代: 現代美術の動向にも目を向け、新しい表現を紹介する展覧会を開催。時代の変化に対応しながら、常に新しい芸術に触れる場であり続けました。

2016年、石橋美術館は、開館60周年を機に久留米市に寄贈され、久留米市美術館としてリニューアルオープンしました。

リニューアルを機に、展示スペースを拡張し、収蔵品の保管環境も改善。より多くの人々が、快適に芸術鑑賞を楽しめるようになりました。また、市民参加型のイベントやワークショップを積極的に開催し、地域に開かれた美術館を目指しています。

久留米市美術館で出会える芸術

  • 多彩なコレクション: 郷土ゆかりの作家、近代洋画、彫刻、工芸など、幅広いジャンルの作品を収蔵。中でも、坂本繁二郎、青木繁、古賀春江といった九州出身の画家の作品は必見です。
    • 坂本繁二郎: 久留米市出身の洋画家。馬や人物などを力強いタッチで描いた作品で知られています。
    • 青木繁: 福岡県出身の洋画家。代表作「海の幸」は、日本の洋画史に残る傑作です。
    • 古賀春江: 福岡県出身の洋画家。独自の画風で、近代日本の美術界に新風を吹き込みました。
  • 魅力的な企画展: 年間を通して、様々なテーマの企画展を開催。国内外の現代美術から歴史的な美術、デザイン、工芸まで、幅広い分野の展覧会を楽しむことができます。過去の企画展では、写真展、浮世絵展、現代アート展など、多岐にわたるテーマが取り上げられました。
  • 見ごたえのある常設展: コレクションの中から選りすぐりの作品を展示。久留米市ゆかりの作家の作品や、近代美術の名品など、じっくりと鑑賞することができます。

創造性を育むワークショップ

子供から大人まで楽しめる、様々なワークショップやイベントを随時開催しています。

  • 子供向けワークショップ: 夏休み期間中には、子供向けのワークショップが開催されます。絵画、彫刻、版画など、様々な技法を体験することができます。
  • 大人向けワークショップ: 美術講座やギャラリートークなど、大人向けのプログラムも充実しています。

緑豊かな石橋文化センター

久留米市美術館は、石橋文化センター内にあります。美術館鑑賞と合わせて、広大な敷地を散策したり、他の施設を利用するのもおすすめです。

  • 石橋文化センター: ブリヂストンの創業者、石橋正二郎氏によって設立された文化施設。美術館のほか、図書館、音楽堂、プラネタリウムなどがあります。
  • バラ園: 約250種、1,200株のバラが咲き誇る美しい庭園。5月中旬~6月上旬と10月中旬~11月上旬が見頃です。
  • 日本庭園: 池や滝、築山などを配した、落ち着いた雰囲気の庭園。四季折々の自然美を楽しむことができます。

バリアフリー情報

久留米市美術館は、誰もが快適に利用できるよう、バリアフリーにも配慮しています。

  • 車いす対応: 館内は、車いすでも移動しやすいように、スロープやエレベーターが設置されています。
  • 車いすの貸し出し: 車いすの貸し出しも行っています。(数に限りがあります)
  • 多目的トイレ: 多目的トイレも完備しています。
  • 介助者割引: 障がい者手帳をお持ちの方とその介助者1名は、入館料が無料になります。
  • 音声ガイド: 視覚に障がいのある方のために、音声ガイドの貸し出しを行っています。(一部作品のみ)

基本情報

項目内容
住所〒839-0862 福岡県久留米市野中町1015
電話番号0942-39-1131
開館時間10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間
入館料常設展:一般 500円、シニア・高大生 300円、中学生以下 無料
※特別展は別料金
アクセス:九州自動車道「久留米IC」より約5分
バス:西鉄バス「文化センター前」下車すぐ
電車:西鉄天神大牟田線「久留米駅」より徒歩約10分
駐車場225台(最初の2時間200円、以降30分ごとに100円)
大型バス 5台(1台500円、要予約)

よくある質問

  • Q. 現在の展覧会は?
    A. 公式サイトで最新情報をご確認ください。
  • Q. 団体割引はありますか?
    A. 15名以上の団体は割引料金が適用されます。
  • Q. ベビーカーで入館できますか?
    A. はい、可能です。
  • Q. 館内で飲食はできますか?
    A. 館内での飲食はできません。ただし、指定の休憩スペースでは可能です。

まとめ

久留米市美術館は、質の高い美術作品を鑑賞できるだけでなく、石橋文化センターの豊かな自然も楽しめる、魅力的なスポットです。バリアフリーにも配慮されているので、誰もが安心して訪れることができます。

芸術と緑に癒されたい方は、ぜひ訪れてみてください。

By kyushutv

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