福岡県筑紫野市に佇む二日市温泉

万葉集にも詠まれた、1300年以上の歴史を誇る九州最古の温泉地のひとつです。

今回は、古代から人々を魅了し続ける二日市温泉の魅力を、歴史、泉質、見どころ、アクセス情報などと共にご紹介します。

二日市温泉の歴史を紐解く

古代:万葉集にも登場する歴史ある温泉

二日市温泉の歴史は、奈良時代まで遡ります。

万葉集には、大宰師(長官)大伴旅人が亡き妻を慕って詠んだ歌が登場し、詞書にある「次田温泉(すいたのゆ)」が現在の二日市温泉のことだとされています。

当時から、政治・文化の中心地であった大宰府と深く関わり、多くの貴族や役人が訪れていたことが伺えます。

中世:武士の湯治場として栄える

平安時代以降は、貴族や武士の湯治場として利用されてきました。

九州は火山地帯のため温泉が多く、戦で傷ついた兵士の治療にも温泉が利用されたと伝えられています。

二日市温泉も、人々の心身を癒やす場として重要な役割を担っていました。

近世・近代:博多の奥座敷として発展

江戸時代には、筑前藩主黒田氏専用の「御前湯」が置かれ、明治時代には九州鉄道の開通に伴い温泉ブームが起こりました。

博多の豪商・渡辺與八郎らの尽力により「博多の奥座敷」として発展し、多くの観光客で賑わいました。

文豪・夏目漱石も新婚旅行で訪れたという記録が残っています。

美肌効果も期待大!二日市温泉の泉質

二日市温泉の泉質はアルカリ性単純温泉

肌の角質を柔らかくする効果があり、「美肌の湯」として知られています。

つるつるすべすべの湯ざわりで、心も体もリラックスできます。

また、微量のラドンを含むことも特徴です。

ラドンには、細胞の活性化や免疫力向上、血行促進、鎮痛作用などの効果が期待できます。

二日市温泉の見どころ

御前湯

江戸時代に筑前藩主黒田氏専用の温泉であった御前湯は、現在は市民の憩いの場として親しまれています。

広々とした浴場や露天風呂で、良質な温泉を気軽に楽しめます。

※2024年10月16日より温泉槽の破損のため休館中ですが、修復後には再び多くの人で賑わうことでしょう。

博多湯

創業慶応元年(1865年)の伝統ある共同浴場です。

地元の方に愛される銭湯のような存在で、昔ながらの温泉情緒を味わえます。

歴史を感じさせる木造の建物で、硫黄臭漂う新鮮な湯を楽しめるのも魅力です。

天拝山

標高257mの天拝山は、菅原道真公が登って天に無実を訴えた故事から「天拝山」と呼ばれるようになりました。

山頂からは筑紫平野を一望でき、登山ルートも整備されているので、気軽にハイキングを楽しめます。

武蔵寺

725年に創建されたと伝えられる歴史ある寺院です。

境内には、樹齢1300年以上と言われる「長者の藤」があり、毎年4月末から5月初めにかけて見事な花を咲かせます。

二日市温泉へのアクセス

  • JR鹿児島本線「二日市駅」下車
  • 西鉄天神大牟田線「二日市駅」下車
  • 九州自動車道「太宰府IC」より約5分

二日市温泉周辺情報

二日市温泉周辺には、太宰府天満宮や九州国立博物館などの観光スポット、宿泊施設、飲食店などが充実しています。

温泉街には、昔ながらの旅館や近代的なホテル、おしゃれなカフェなどが軒を連ねています。

旬の味覚を堪能できる老舗旅館で、温泉情緒をたっぷりと味わうのもおすすめです。

二日市温泉のイベント情報

  • 筑紫野市祭 二日市温泉と天拝山観月会withいきいき商工農フェスタ: 毎年9月に開催。
  • 御自作天満宮御開扉: 天拝山にある御自作天満宮の御開扉。
  • 二日市八幡宮おんな神輿: 毎年10月に開催される、二日市八幡宮の秋祭り。
  • 筑紫野市祭 二日市温泉藤まつり: 毎年4月29日に、武蔵寺で開催されるお祭り。

二日市温泉 基本情報

項目内容
住所福岡県筑紫野市湯町
アクセスJR鹿児島本線「二日市駅」下車<br>西鉄天神大牟田線「二日市駅」下車<br>九州自動車道「太宰府IC」より約5分
泉質アルカリ性単純温泉
効能神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、冷え性など
主な見どころ御前湯、博多湯、天拝山、武蔵寺
問い合わせ先筑紫野市観光協会 092-922-2421

まとめ

1300年の歴史が息づく二日市温泉は、美肌効果も期待できる泉質と、歴史・文化・自然が調和した魅力あふれる温泉地です。

日々の疲れを癒し、心身をリフレッシュするのに最適な場所です。

ぜひ、二日市温泉で癒しのひとときをお過ごしください。

By kyushutv

九州のイベント•地域情報をお伝えするWebメディア「九州TV」です。