近年、綺麗すぎるデジタル写真へのアンチテーゼとしてフィルム写真が静かに流行の兆しを見せています。

そうしたフィルム写真ブームの中で一部の人は「期限切れフィルム」に注目しています。

私もその一人です。まず、期限切れフィルムとは何かというと‥

フィルムのパッケージに記載されている使用期限を越えてしまったフィルムのことです。フィルムは素材の一部にゼラチン等が含まれているため使用期限があって、一般的なカラーフィルムは製造から約2年、モノクロは約3年ぐらいとされています。

期限切れフィルムで撮影された写真は、一般的なデジタル写真とは真逆の属性を持っています。

コントラストが低い…どこかボヤッとした眠たい感じになる
カラーバランスが…それぞれの写真に奇妙な色合いになる
粒子が荒くなる…荒れた写真でシャープさが失われる

その結果‥「綺麗」とは対極的なオリジナリティーのある写真が出来上がります。

人によっては、「風変わり」「奇妙」と捉えるかもしれません。

しかし、今のアプリのフィルターの一部はこうした期限切れフィルムを元に制作されていることを鑑みるに、うまく使えば非常にお洒落な写真にもなるということです。

いつかチャレンジしてみたいと思っていた「期限切れフィルム」の世界。

この最近、とあるきっかけで状態の良い期限切れフィルムを入手しました。

フィルムは「FUJICOLOR SUPERIA Venus 400」現行のSUPERIA PREMIUM 400のご先祖と言えなくもないフィルム。

期限は2006年でしたので、ざっと14年は経過したものです。

そもそも感光するのか怪しい古いものですが、感度を200に設定して撮影すると意外とこれが写る。

多分、保存状態が良かったのと、現像したお店が頑張ったおかげたと思います。

出来上がった写真は、昭和とも令和とも分からない時代を彷徨っているような奇妙な写真でした。

期限切れフィルムはまだまだ所有していますので、機会があればまたお見せできればと思います。