マイケル・ジャクソン『Dangerous』- インフォグラフィック徹底レビュー

Dangerous

Michael Jackson

はじめに:ポップの臨界点

アルバム「Dangerous」のアートワーク

主な実績と世界的ヒット

3200万枚+
No.1
受賞
9枚

音響設計:新たなサウンドスケープ

ニュー・ジャック・スウィングの衝撃

ジャンルの坩堝(るつぼ)

プロダクション・チームの魔法

  • テディ・ライリー: ニュー・ジャック・スウィングを導入し、アーバンで攻撃的なサウンドを構築。ヴィンテージ機材も多用。
  • ビル・ボットレル: 「ロック・ガイ」として、実験的なアプローチで異なる次元のサウンドを付加。「Black or White」など。
  • ブルース・スウェディン: 長年のエンジニア。特にヴォーカル録音で手腕を発揮し、マイケルの多様な表現(ダンスしながらの録音なども含む)を忠実に捉えました。

アートワーク:マーク・ライデンの深淵

アルバム「Dangerous」の複雑なアートワーク

謎めいた象徴の世界

主なモチーフ解説

  • マイケルの目: 『Bad』のカバー写真を元に、仮面の後ろから覗く。ミステリーを象徴。
  • P.T.バーナム: 興行師へのオマージュ。右下に描かれ、その襟には「1998」というピン(ジャクソンが時折用いた謎の数字)が付いている。
  • 動物たち: ネバーランドの動物園を反映。孔雀(ショービジネス、不死)、額に「9」と書かれた象(9人兄弟姉妹を象徴か)、蛙(幸運)など。
  • 美術史的引用: アングル『玉座のナポレオン1世』(犬の王のモチーフ)、ボス『快楽の園』、ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』など。
  • マイケルの手と世界地図: 左下に描かれ、グローバルな存在と「Heal the World」のテーマ、そして彼のラッキーナンバー「7」を示唆。

全曲レビュー:創造性の軌跡

1. Jam (5:39)

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2. Why You Wanna Trip on Me (5:24)

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3. In the Closet (6:31)

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4. She Drives Me Wild (3:41)

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5. Remember the Time (4:00)

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6. Can’t Let Her Get Away (4:59)

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7. Heal the World (6:25)

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8. Black or White (4:16)

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9. Who Is It (6:34)

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10. Give In to Me (5:29)

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11. Will You Be There (7:40)

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12. Keep the Faith (5:57)

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13. Gone Too Soon (3:22)

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14. Dangerous (6:59)

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ショートフィルム:映像による物語拡張

視覚的革命

  • “Black or White”: ジョン・ランディス監督。当時最先端のモーフィング技術で人種融和を表現。後半の「パンサー・ダンス」は暴力的描写で物議を醸したが、人種差別への怒りの表現と説明。
  • “Remember the Time”: ジョン・シングルトン監督。古代エジプトが舞台。エディ・マーフィ、イマンら豪華キャスト。精巧な特殊効果とエジプト風ダンスが特徴。
  • “In the Closet”: ハーブ・リッツ監督。ナオミ・キャンベルと共演。セピア調の映像美で官能的かつ親密なダンスを披露。芸術性の高さも評価。

影響と遺産:ポップカルチャー史における位置

批評家の反応と再評価

後世への永続的影響力

  • アッシャー (Usher)
  • ジャスティン・ティンバーレイク (Justin Timberlake)
  • ビヨンセ (Beyoncé)
  • ザ・ウィークエンド (The Weeknd)
  • ブルーノ・マーズ (Bruno Mars)

よくある質問 (FAQ)

トリビア:『Dangerous』にまつわる秘話

知られざるエピソード

  • マイケルは「Heal the World」をネバーランド・ランチに実際にあったお気に入りの「ギビング・ツリー(与える木)」の上で作ったと語っています。
  • 「Black or White」のショートフィルムは、1991年11月14日に27カ国で同時初公開され、推定5億人が視聴するという記録的な出来事でした。
  • 「She Drives Me Wild」では、実際の車のエンジン音、タイヤの音、クラクションだけでなく、マイケルの飼っていた虎の鳴き声のサンプルまでがパーカッションとして使用されました。
  • マイケルはレコーディング時、スタジオを真っ暗にして歌うことを好み、メロディやアレンジのアイデア全体をハミングやビートボックスでプロデューサーに伝えたと言われています。
  • 「In the Closet」は当初マドンナとのデュエット曲として企画されましたが、歌詞の方向性で意見が合わず、最終的にモナコ公国のステファニー王女が「ミステリー・ガール」として参加しました。
  • アルバム制作は当初『Decade』というベスト盤構想でしたが、新曲の充実により完全新作『Dangerous』へと変更されました。この過程で50~70曲が録音されたと言われています。
  • ビル・ボットレルは「Black or White」でL.T.B. (Like The Bass) という名義でラップパートを担当しました。
  • 「Will You Be There」の荘厳なプレリュードは、ベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章の一部(「歓喜の歌」のあまり知られていない部分)です。
  • スタジオで大音量で楽曲を再生中、スピーカーから青い炎が上がった際、マイケルはそれを気に入り、さらに音量を上げるよう指示したという逸話があります。

アルバム基本情報

Dangerous
Michael Jackson
1991年11月26日
Epic Records
5:39
5:24
6:31
3:41
4:00
4:59
6:25
4:16
6:34
5:29
7:40
5:57
3:22
6:59

結論:永続する『Dangerous』の共鳴

By kyushutv

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