「火振り神事」- 熊本の幻想的な祭りで国龍神と姫神が結ばれる

火振り神事とは、熊本県阿蘇市の阿蘇神社で毎年3月15日に行われる農耕祭事の一つです。国指定重要無形民俗文化財にもなっているこの神事は、農業の守護神である国龍神（くにたつのかみ）と姫神の結婚を氏子たちが火を振ってお祝いするというものです 。

火振り神事は、田作祭（たつくりまつり）と呼ばれる一連の行事の中で行われます。田作祭は、農耕の開始期に稲作を始める前に豊作を願うために行われます。田作祭は巳の日から亥の日まで7日間続きますが、火振り神事はその4日目の申の日に行われます。

火振り神事では、樫の枝葉で包まれた姫神の御神体が夕刻に阿蘇神社に到着します。その際、氏子たちは松明や縄先につけた茅束に火をつけて参道で迎えます。これを「御前迎え」と呼びます。氏子たちは火を振り回して姫神を歓迎し、国龍神と姫神が結ばれることを喜びます。暗闇に浮かぶ幾重もの光の輪は壮観で幻想的な光景です 。

火振り神事は阿蘇地域や熊本県全体でも有名な伝統的なイベントです。見学自由ですが、コロナウイルス感染予防対策や交通規制などもありますので、公式サイトや観光案内所などで最新情報を確認してからお出かけください 。

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