九州テレビ特派員の空きれいです。
今回はモノクロ写真に必要なこと、写真は時に「光の芸術」と呼ばれますが、その神髄にもっとも近いのがモノクロ写真です。事実、写真の歴史的な作品の大半がモノクロで撮影されています。
だからといって、普通の人には無理…ということではなく、コツと慣れで十分に習得できるものです。むしろ構図やレタッチがうまくなったところで、モノクロ写真を撮れない人はまだまだ…といってもよいでしょう。逆にモノクロ写真を上手にとれる人は、写真の基礎をきっちりマスターしている証です。今回はそのことをお伝えできればと思います。
1.露出
近年、デジタルカメラの性能がよくなって構図はともかく、普通にカメラを使う限りは露出を意識することはありません。
しかし、カメラやスマホのモードをモノクロにして写真を撮影すると、どこか暗すぎたり明るすぎる…といったことがよくあります。それはカメラやスマホといったものは基本的にカラーで撮ることを主体において開発されているのが原因の一因です。
では、モノクロ写真を良く撮るにはどうすれば良いでしょうか?
私のお勧めは、自分で露出を決めて撮ることです。
でも、露出とはそもそも何なのでしょうか?
露出とは撮像素子に光を当てることです。
露出を調整することで、明るい屋外でも暗い写真や、夜の室内のような暗い場所でも明るい写真にすることもできます。
デジタル一眼レフカメラでは、写真の明るさが適正となるよう露出をコントロールする「自動露出(AE)」機能が搭載されています。
このため、カメラの自動露出機能を使えば、明るい被写体でも暗い被写体でも適正な明るさの写真を撮影することができます。
このことを「適正露出」といいます。デジタル一眼レフカメラの基礎知識 – 露出 | Enjoyニコンより引用
ニコンさんのホームページからの引用文ですが、わかりやすく書かれていると思います。
写真が暗いと思ったら、写真を明るくしてください。
写真が明るすぎると思ったら、写真を暗くしてください。
写真の明暗を決め方は人それぞれですが、私は特に明暗の激しい部分が見えるように調節しています。
2.コントラスト
露出についてなんとなく分かってきたけど、頭のイメージと違って写真が白っぽい、もやもやしていることがありませんか?
露出を適正に合わせる、特に明るい部分がちょうどいい程度に合わせると、今度は暗い部分が白くなりすぎてしますことはよくあることです。そういった場合は、コントラストの調整をしましょう。
コントラストを強くすると諧調さが激しくなり、かっこいい感じになります。
一般的なイメージとしては写真家の森山大道さんの写真みたいな感じです。
その逆にしたい場合は、コントラストを弱くしてください。どこか優しい感じになります。
3.被写体について
露出もコントラストも分かったよ。でもモノクロ写真はなんかさみしいな…。
こういってモノクロ写真の魅力を知る前に諦めてしまうことは良くあることです。
私も何度か挫折してようやく分かったことがあります。モノクロ写真には合う被写体と合わない被写体があるということです。
モノクロ写真にあう被写体とは、シンプルな色合い、もしくは色のないもの。
もしくは、ディテールに深みがあったり、明暗差が激しかったりとカラー写真が苦手なものです。
全ての写真をモノクロで撮る必要はありません。シーンに合わせましょう。
4.モノクロ写真の魅力
先の3つのポイントを理解して、何度か撮影すればよいモノクロ写真は難しくありません。
ですが、モノクロ写真にするべき理由とは何なのでしょうか?
かっこいい、どこか優しい、懐かしい、光の芸術の本質の一面
様々な理由があると思いますが、どれも恐らくは正解でしょう。人それぞれです。
だからこそ、試行錯誤が必要であり、魅力も理解する必要がある。
でも、そこにはただボタンを押すだけのカメラやスマホでは体感できない世界があるのは間違いありません。私、空きれいもその魅力に今に惚れている真っ最中です。
Photo&Writing :九州テレビ特派員 空きれい