
長府の観光ポスターで、必ずと言っていいほど登場する景色。
それが、ここ「古江小路(ふるえしょうじ)」と、そこに佇む「菅家長屋門(かんけながやもん)」です。
黄土色の土塀(練塀)がどこまでも続く静かな路地は、まるで江戸時代から時が止まっているかのよう。
城下町・長府の中でも**「最も情緒がある」**と称されるこの場所で、歴史の薫りを感じる散策を楽しんでみませんか?
1. 迷い込みたい美しさ「古江小路」
「古江小路(ふるえしょうじ)」は、長府・松村川の東側に位置する、かつての上級藩士たちが暮らした屋敷町です。
この通りの主役は、なんといっても**「練塀(ねりべい)」**。
土と瓦を交互に積み重ねて固め、上から屋根瓦を葺いた独特の塀が、細く入り組んだ路地の両脇に続いています。
雨に濡れてしっとりと色濃くなった塀や、夏の日差しに照らされた白壁とのコントラストは、どこを切り取っても絵画のような美しさです。
2. 藩医の格式を伝える「菅家長屋門」

古江小路のランドマークとなっているのが、重厚な**「菅家長屋門(かんけながやもん)」**です。
菅家(かんけ)は、長府藩祖・毛利秀元に京都から招かれ、代々「侍医(藩主の医者)」兼「侍講(学問の先生)」を務めた非常に格式の高い家柄です。
- 武家屋敷との違い:一般的な武家屋敷の門が「武骨で堅牢」であるのに対し、この門はどこか繊細で優雅な趣があります。これは、学問と医術を司る名門ならではの「気品」を表していると言われています。
- 調和する景観:長屋門を中心に左右に伸びる石垣と、その上の練塀が見事に調和し、長府を象徴する景観を作り出しています。
Editor’s Note: 撮影のベストアングル
菅家長屋門を正面から撮るのも良いですが、少し離れて斜めのアングルから、手前に続く練塀の奥行きを入れて撮影するのがおすすめです。着物姿で歩けば、最高のポートレートになりますよ。
基本情報 (Access & Info)
| 項目 | 詳細 |
| スポット名 | 菅家長屋門・古江小路(かんけながやもん・ふるえしょうじ) |
| 住所 | 山口県下関市長府古江小路町2番 |
| 見学 | 外観自由(※現在は個人の住宅となっている場合が多いため、敷地内への立ち入りはご遠慮ください) |
| アクセス | JR「下関駅」からバス約23分、「城下町長府」下車、徒歩約7分 |
| 駐車場 | なし(近隣の長府庭園、功山寺、長府観光会館等の駐車場を利用) |
| お問い合わせ | 083-246-1120(長府観光会館) |
よくある質問 (FAQ)
Q. 「古江小路」はどこにありますか?
「城下町長府」バス停から、功山寺や長府毛利邸へ向かう途中のエリアに入り口があります。少し奥まった場所にありますが、案内板が出ています。功山寺から長府毛利邸へ歩くルートの途中に通るのが一般的です。
Q. 建物の中に入れますか?
菅家長屋門を含め、このエリアの屋敷の多くは現在も個人の方がお住まいの住宅である場合が多いです。基本的には外観(通りからの景色)を楽しむ場所とお考えください(※一部公開されている施設を除く)。
Q. 所要時間は?
通りを歩いて写真を撮るだけなら15分程度です。ただし、このエリア特有の静けさを味わいながらゆっくり散策するのが醍醐味です。
【まとめ】
土塀の続く小路に足を踏み入れると、車の音も遠ざかり、心なしか空気もひんやりと感じられます。
長府観光のハイライト、「菅家長屋門」と「古江小路」。
カメラを片手に、静寂の城下町へ迷い込んでみてください。