日本の歴史が、ここから動いた。

城下町・長府の奥深くに佇む名刹、「功山寺(こうざんじ)」。

ここは単なる古いお寺ではありません。

国宝に指定された日本最古の禅寺様式の仏殿を持ち、幕末には革命児・高杉晋作が維新への挙兵(功山寺挙兵)を行った、まさに「歴史の転換点」となった場所です。

春は桜、秋は紅葉に彩られる境内で、静寂と熱気が交錯する歴史ドラマに浸ってみませんか?


1. 圧巻の国宝!日本最古の「禅寺様式」

功山寺のシンボルといえば、なんといっても**「仏殿(ぶつでん)」です。

鎌倉時代(1320年)に創建されたこの建物は、中国・宋の建築様式を取り入れた「唐様(からよう)」建築としてはわが国最古のもの。昭和28年に国宝**に指定されています。

  • 反り上がる屋根: 唐様特有の、四隅がピンと跳ね上がった美しい屋根の曲線美は必見です。
  • 質実剛健な美: 彩色を施さない素木(しらき)造りの外観は、武士の気風を感じさせる力強さと、禅宗寺院らしい静寂をまとっています。

2. 高杉晋作、いちるの望みをかけた「挙兵の地」

「これより長州男児の肝っ玉をお目にかけ申す!」

元治元年(1864年)、高杉晋作はわずか80人程度の兵を率いて、この功山寺で挙兵しました(回天義挙)。

この無謀とも言える戦いが、やがて藩論を統一し、明治維新へと繋がる大きなうねりとなっていったのです。

  • 高杉晋作像: 境内には、馬にまたがり遠くを見据える晋作の銅像があり、多くの歴史ファンが訪れます。
  • 五卿潜居の間: 当時、都落ちしていた三条実美ら五人の公家が潜んでいた部屋も残されています(※通常非公開エリアあり)。

3. 大内氏の悲劇と毛利家の威光

功山寺は、晋作以前の歴史の舞台でもあります。

  • 大内義長の最期: 毛利元就に追われた大内氏最後の当主・義長がここで自刃し、西国の覇者・大内氏は滅亡しました。
  • 長府毛利家の菩提寺: 仏殿の裏手には、長府藩初代藩主・毛利秀元をはじめとする歴代藩主ら9人の墓所があり、整然と並ぶ墓石が往時の威光を伝えています。

Editor’s Note: 秋の「石段」は必見

功山寺の総門をくぐり、仏殿へと続く石段は、下関屈指の紅葉スポットです。苔むした石段と、頭上を覆う真っ赤なモミジのコントラストは息をのむ美しさ。見頃の11月中旬〜12月上旬は多くのカメラマンで賑わいます。


基本情報 (Access & Info)

項目詳細
寺院名功山寺(こうざんじ)
住所山口県下関市長府川端1丁目2-3
拝観料境内無料(※書院・庭園等は一部有料の場合あり)
拝観時間境内自由(9:00〜17:00頃推奨)
アクセスJR「長府駅」からバス約7分、「城下町長府」下車、徒歩約10分
駐車場あり(無料・山門前など)
お問い合わせ083-245-0258

よくある質問 (FAQ)

Q. 「城下町長府」バス停から遠いですか?

徒歩で約10分ほどかかりますが、バス停からお寺までの道中は、土塀や武家屋敷が残る「長府の城下町」エリアです。歴史的な街並みを楽しみながら歩けるので、距離はそれほど気になりません。

Q. 高杉晋作の像はどこにありますか?

山門(総門)をくぐり、石段を登りきった境内の左手奥、木立の中に建っています。

Q. 紅葉の時期はいつですか?

例年11月中旬から12月上旬にかけてが見頃です。特に雨上がりの濡れた石段と紅葉の風景は情緒があり、おすすめです。


【まとめ】

日本最古の美しさを誇る国宝建築と、若き志士たちが命を燃やした革命の記憶。

功山寺は、静かな佇まいの中に「美」と「情熱」を秘めた、下関・長府観光のハイライトです。

歴史を変えた場所で、晋作像と同じ風を感じてみてください。

By kyushutv

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