福岡市東区の志賀島にひっそりと佇む「蒙古塚」。

これは、13世紀に起きた元寇(げんこう)で亡くなった蒙古兵を供養するために建てられた供養塔です。750年以上前の歴史を伝える、貴重な史跡です。

元寇と志賀島

13世紀、モンゴル帝国(元)は、日本に服属を迫るため、二度にわたり大軍を送り込みました。これが元寇です。

志賀島は、博多湾の入り口に位置するため、元寇において重要な拠点となりました。1281年(弘安4年)の弘安の役では、志賀島沖に集結した元軍と日本軍との間で、激しい戦いが繰り広げられました。

この戦いで、日本軍は奮闘しましたが、多勢に無勢で苦戦を強いられました。しかし、その時、突如として暴風雨が襲来。多くの元軍の船が難破し、志賀島に漂着した兵士たちは、日本軍に討たれたと言われています。

蒙古塚の歴史

蒙古塚は、弘安の役で亡くなった元軍兵士を弔うために建てられたと伝えられています。

現在の供養塔は、比較的新しいものですが、古くからこの地に塚があったことが記録に残っています。

塔には「南無妙法蓮華経蒙古軍供養塔」と刻まれています。敵味方の区別なく、戦没者を弔うという、日本人の慈悲の精神が表れています。

蒙古塚へのアクセス

項目内容
所在地福岡市東区志賀島
アクセス* 博多港から市営渡船で志賀島へ(約30分)。志賀島渡船場から徒歩約25分 * 西鉄バス「志賀島小学校前」バス停下車、徒歩約15分

志賀島周辺の見どころ

  • 金印公園: 1784年に志賀島で発見された国宝「金印」を記念した公園。
  • 志賀海神社: 海の神様を祀る神社。航海安全、大漁祈願などで信仰を集めています。
  • 潮見公園・潮見展望台: 博多湾を一望できる絶景スポット。

まとめ

蒙古塚は、元寇という歴史の大きな転換点となった出来事を後世に伝える、重要な史跡です。戦没者を弔うだけでなく、平和への願いを込めて建てられたこの塚は、私たちに多くのことを語りかけてくれます。

志賀島を訪れた際には、ぜひ蒙古塚にも足を運び、歴史に思いを馳せてみてください。

By kyushutv

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