筑後川を見下ろす高台に位置する久留米城跡。約250年もの間、久留米藩を治めた有馬氏の居城として、そして現在は市民の憩いの場として、歴史と自然が調和する魅力的なスポットです。

久留米城、その起源と変遷

久留米城の歴史は、多くの謎に包まれています。

  • 築城の謎: 築城年代や築城者は定かではありません。一説には、南北朝時代の武将、菊池武光によって築かれたとも、室町時代の豪族、草野氏が築いたとも言われています。
  • 笹原城時代: 15世紀頃の文献には、「笹原城」という名前で登場します。この時代、筑後国は少弐氏、大友氏、龍造寺氏といった戦国大名たちの激しい争いの舞台となり、笹原城もその渦中に巻き込まれていきます。
  • 毛利秀包と城郭の進化: 1587年、豊臣秀吉の九州平定後、毛利秀包が城主となります。秀包は、それまでの笹原城を大規模に改修。近世城郭へと進化させ、城下町の整備にも力を注ぎました。
    • 石垣の構築: 秀包は、城の防御力を高めるため、堅固な石垣を築きました。自然の地形を巧みに利用した石垣は、高い技術力を示しています。
    • 城下町の形成: 城下町には、武家屋敷や町屋が建ち並び、商業も盛んになりました。現在も、城下町の名残をとどめる町並みが残っています。
  • 有馬氏250年の治世: 1621年、有馬豊氏が城主となり、以後明治維新まで約250年間、有馬氏が久留米藩を治めました。有馬氏は、産業や教育を振興し、久留米藩は安定した時代を迎えます。
    • 藩校「修道館」: 有馬氏は、人材育成のため、藩校「修道館」を設立しました。修道館は、多くの優秀な人材を輩出し、久留米藩の発展に貢献しました。
    • 文化の振興: 有馬氏は、茶道や華道などの文化にも力を入れました。久留米絣などの伝統工芸も、この時代に発展しました。
  • 明治維新と廃城: 明治維新後、廃城令により城は取り壊されました。しかし、石垣や堀などの一部は現在も残り、往時の姿を偲ぶことができます。
    • 篠山神社: 本丸跡には、久留米藩祖・有馬豊氏を祀る篠山神社が建立されました。
    • 有馬記念館: 歴代藩主の遺品や歴史資料を展示する有馬記念館が建てられ、久留米藩の歴史を伝える拠点となっています。

見どころ

  • 壮大な石垣: 久留米城跡最大の見どころは、高くそびえる石垣です。自然の地形を巧みに利用した石垣は、築城当時の技術の高さを物語っています。
  • 本丸跡: かつて天守閣や櫓が建っていた本丸跡からは、久留米市街を一望できます。
  • 篠山神社: 本丸跡に鎮座する篠山神社は、久留米藩祖・有馬豊氏を祀っています。
  • 有馬記念館: 歴代藩主の武具や工芸品など、貴重な資料を展示しています。

アクセス情報

項目内容
住所〒830-0021 福岡県久留米市篠山町444
電話番号0942-33-3030(篠山神社)
アクセス:九州自動車道「久留米IC」より約20分
バス:西鉄バス「大学病院」下車、徒歩約3分
電車:JR鹿児島本線「久留米駅」下車、徒歩約15分
駐車場15台(無料)

久留米城跡をもっと楽しむ

  • 散策: 城跡周辺は遊歩道が整備されているので、ゆっくりと散策を楽しむことができます。
  • 歴史探訪: 有馬記念館で久留米藩の歴史を深く学ぶことができます。
  • イベント: 春には桜、秋には紅葉が美しく、季節ごとのイベントも開催されます。

まとめ

久留米城跡は、歴史好きはもちろん、自然を楽しみたい方にもおすすめのスポットです。

ぜひ、足を運んで、往時の姿を偲んでみてください。

By kyushutv

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