福岡県久留米市に佇む梅林寺は、臨済宗妙心寺派の寺院で、久留米藩主・有馬家の菩提寺として知られています。
元和7年(1621年)に創建され、400年以上の歴史を誇るこの寺は、禅の修行道場としても名高く、多くの修行僧が訪れています。今回は、梅林寺の歴史を紐解きながら、その魅力に迫ります。
有馬豊氏による創建
梅林寺は、初代久留米藩主・有馬豊氏によって創建されました。
豊氏は、関ヶ原の戦いの功績により、筑後国久留米藩13万石を与えられました。
そして、父・則頼の菩提を弔うため、故郷である丹波福知山(現在の京都府福知山市)の瑞巌寺を移築し、梅林寺としたのです。
寺名は、則頼の法号「梅林院殿泰叟玄徳大居士」に由来しています。
九州屈指の禅道場として
梅林寺は、創建当初から禅の修行道場として、多くの僧侶を育成してきました。
特に、江戸時代中期には、白隠慧鶴禅師の高弟である盤珪永琢禅師が住職を務め、梅林寺は禅宗の一大拠点として栄えました。
盤珪禅師は、厳しい修行を通して多くの弟子を育て、その教えは現代にも受け継がれています。
明治維新後の梅林寺
明治維新後、廃仏毀釈の影響で、梅林寺は一時衰退しますが、その後、地域住民の支援により復興を果たしました。
現在も、禅の修行道場として、坐禅会や写経会などが行われています。
見どころ
- 唐門: 国の重要文化財に指定。精緻な彫刻が施された唐門は、勅使門とも呼ばれ、格式の高さを物語っています。
- 有馬家霊屋: 歴代藩主の霊屋が5棟並ぶ様は壮観です。九州では珍しい大名家の霊廟建築としても貴重です。
- 本堂: 本尊の如意輪観音像が安置されています。静寂に包まれた空間で、心を落ち着かせて参拝できます。
- 外苑: 筑後川沿いにある外苑は、市民の憩いの場として親しまれています。
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 梅林寺(ばいりんじ) |
住所 | 福岡県久留米市京町209 |
宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
本尊 | 如意輪観音 |
ご利益 | 福徳円満、諸願成就、家内安全、子孫繁栄 |
アクセス | JR久留米駅から徒歩約5分 九州自動車道 久留米ICから車で約15分 |
駐車場 | あり(約30台) |
梅林寺は、400年の歴史を刻む、禅の道場です。
久留米を訪れた際には、ぜひ立ち寄って、静寂な空間で心を癒やしてみてはいかがでしょうか。