福岡県久留米市に佇む善導寺は、浄土宗の大本山として、800年以上の歴史を誇る古刹です。

鎌倉時代初期に創建され、幾多の変遷を乗り越えながら、現在もなお多くの人々の信仰を集めています。今回は、善導寺の歴史を紐解きながら、その魅力に迫ります。

草野氏の菩提寺として創建

善導寺は、承元2年(1208年)、浄土宗の開祖・法然上人の高弟である聖光上人によって開山されました。

当時の筑後国守護代・草野永平が帰依し、草野氏の菩提寺として建立されたのが始まりです。

当初は「光明寺」と称していましたが、後に「善導寺」と改められました。

戦国時代、そして復興へ

室町時代に入ると、九州では戦乱が激化し、善導寺もその影響を受け、衰退の一途を辿ります。

しかし、江戸時代に入ると、柳河藩主・田中吉政の帰依を受け、伽藍の再建が進められました。

現在の本堂や大門は、この頃に再建されたもので、当時の建築技術の高さを物語っています。

浄土宗鎮西義の拠点として

善導寺は、九州における浄土宗布教の拠点として、重要な役割を担ってきました。

特に、江戸時代には、多くの僧侶を育成し、浄土宗の教えを広めることに尽力しました。

その結果、善導寺は浄土宗鎮西派(九州地方)の総本山として、大きな影響力を持つようになりました。

重要文化財を多数所蔵

善導寺には、歴史的価値の高い建造物や美術品が数多く残されています。

  • 本堂: 江戸時代後期の建築で、浄土宗寺院の本堂としては九州最大級の規模を誇ります。
  • 大門: 切妻造の重厚な門で、こちらも江戸時代後期の建築です。
  • 三祖堂: 善導大師、法然上人、聖光上人の三祖を祀るお堂です。堂内には、重要文化財の善導大師坐像と聖光上人坐像が安置されています。
  • 紺紙金泥観普賢経: 紺色の紙に金泥で書かれた貴重な経典です。
  • 本朝祖師伝絵詞: 浄土宗の祖師たちの伝記を描いた絵巻物です。

見どころ満載の境内

  • 大楠: 樹齢約500年と言われる巨木は、善導寺のシンボルとして親しまれています。
  • 菩提樹: 釈迦が悟りを開いたとされる菩提樹は、仏教寺院にとって重要な木です。
  • 大梵鐘: 江戸時代に鋳造された梵鐘は、県の重要文化財に指定されています。

基本情報

項目内容
名称大本山 善導寺
住所福岡県久留米市善導寺町飯田550
宗派浄土宗
開山聖光上人
ご利益往生浄土、家内安全、商売繁盛など
アクセスJR久大本線「善導寺駅」下車 徒歩10分
西鉄バス「善導寺」バス停下車 徒歩5分
九州自動車道 久留米ICから車で約20分
駐車場あり(100台)

善導寺は、800年以上の歴史を刻む、浄土宗を代表する寺院です。

ぜひ一度訪れて、その壮大な歴史と文化に触れてみてください。

By kyushutv

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