下関市長府の沖合、関門海峡にぽっかりと浮かぶ二つの小島。

「満珠(まんじゅ)・干珠(かんじゅ)」と呼ばれるこの島々には、まるでファンタジー映画のような壮大な「魔法の珠(たま)」の伝説が残されています。

さらにここは、歴史を変えた「源平合戦」の重要な舞台でもありました。

今回は、神話と歴史が交差するミステリアスな島、満珠・干珠の物語と、その姿を一番美しく見られる絶景スポットをご紹介します!


🐉 龍神から授かった「2つの珠」の伝説

その昔、この国に朝鮮から新羅(しらぎ)の大軍が攻めてきた時のこと。

立ち向かった神功皇后(じんぐうこうごう)は、龍神から2つの不思議な珠を授かりました。

その珠の名は、「潮干る珠(しおひるたま)」と「潮満る珠(しおみつるたま)」

魔法のような潮のコントロール

皇后は、船で近づいてくる敵軍に対し、まず「潮干る珠」を使いました。すると潮が引き、敵船は足止めを食らいます。

敵が船を降りて攻め込もうとしたその瞬間、今度は「潮満る珠」を使いました。すると潮が一気に満ち、新羅軍はひとたまりもなく滅ぼされたといいます。

勝利の後に生まれた島

その後、新羅へ渡り勝利を収めて凱旋した皇后が、役目を終えた2つの珠を海に返すと、それが現在の二つの島(満珠・干珠)になったと伝えられています。


⚔️ 源平合戦「源氏の本陣」となった場所

この島は、神話だけでなく実際の歴史の舞台でもあります。

平家が滅び、武士の時代が幕を開けた「壇ノ浦の源平船合戦」。

この戦いで、海峡の複雑な潮の流れを知り尽くしていた長府・串崎の水軍は、源氏(源義経軍)に味方しました。

そして、源氏軍はこの満珠・干珠島の周辺に本陣を構え、平家軍を迎え撃ったといわれています。

現在は忌宮神社(いみのみやじんじゃ)の飛び地境内となっており、島に生い茂る原生林は国の天然記念物にも指定されている、神聖な場所です。


📸 2つの島が寄り添う!おすすめビュースポット

満珠・干珠は関門海峡のいたるところから見えますが、特に「形が良く見える」とされる特等席があります。

  • 豊功神社(とよことじんじゃ)
  • 御船手海岸(みふねてかいがん)

この場所から眺めると、二つの島が仲良く寄り添うように見え、海峡の景色と相まって最高のフォトスポットになります。


ℹ️ 基本情報&アクセス

長府散策の際は、海の方を眺めて、この伝説の島を探してみてください。

項目内容
スポット名満珠・干珠島(まんじゅ・かんじゅじま)
所在地下関市長府沖
指定国の天然記念物(樹木)、忌宮神社飛び地境内
お問い合わせ083-246-1120(長府観光会館)

🚗 アクセス(ビュースポットまで)

  • 【豊功神社・御船手海岸】
    • JR「長府駅」からバスで約9分、「松原」バス停下車、徒歩7~10分
    • JR「下関駅」からバスで約21分、「松原」バス停下車、徒歩7~10分

💖 まとめ

龍神の珠が姿を変えたという伝説の島、満珠・干珠。

源平の兵(つわもの)たちも見たであろうその風景は、今も変わらず関門海峡に浮かんでいます。

長府の歴史散策の合間に、海風を感じながら、神話と歴史のロマンに浸ってみませんか?

By kyushutv

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