山口県下関市豊北町、美しい海士ヶ瀬(あまがせ)を眼下に望む丘の上に、弘法大師空海ゆかりの古刹「附野薬師東山寺(つくのやくしとうざんじ)」があります。
ここには、眼病治癒のパワースポットとしての信仰だけでなく、自然が作り出した不思議な巨石「俵石(たわらいし)」や、幕末の志士・吉田松陰も愛した庭園など、見どころが満載です。
今回は、歴史と自然、そして信仰が織りなす神秘の空間をご紹介します。
🙏 弘法大師伝説と「眼病治癒」のパワースポット
嵐を鎮めた薬師如来
寺の縁起は古く、平安時代の806年にさかのぼります。
唐から帰国した弘法大師空海が、この地で暴風雨に遭遇した際、自ら彫刻した薬師如来に祈ると嵐が収まったという伝説が残されています。
大師が無事に上陸し、尊像を安置したことが、この寺の始まりであり、「附野(つくの)」という地名の由来になったとも言われています。
目の神様として信仰を集める
また、江戸時代には夢のお告げにより眼病治癒の灸が授けられたことから、現在でも眼病治癒や安産、航海安全の霊仏として多くの信仰を集めています。
秘仏である御本尊は、7年に一度だけ御開帳されます。
🪨 まるで積み上げた俵!?奇岩「俵石」
境内でひときわ目を引くのが、下関市指定文化財でもある「俵石(たわらいし)」です。
自然が生んだ造形美
玄武岩特有の「柱状節理」と呼ばれる割れ目が横方向に走っており、その姿はまるで米俵を積み重ねたよう。自然の力が作り出したユニークで神秘的な景観は必見です。
吉田松陰も愛した「観涛園」
この俵石を含む庭園は「観涛園(かんとうえん)」と呼ばれ、明治維新の先覚者・吉田松陰も訪れています。
松陰先生はこの景色に感銘を受け、「播き尽きぬ宝の種や俵石」という歌を詠み残しました。
ℹ️ 基本情報&アクセス
海を望む絶好のロケーションで、歴史と自然のパワーを感じてみませんか?
| 項目 | 内容 |
| スポット名 | 附野薬師東山寺(つくのやくしとうざんじ) |
| 所在地 | 下関市豊北町神田附野 |
| ご利益 | 眼病治癒、安産、航海安全 |
| 文化財 | 俵石(下関市指定文化財) |
| お問い合わせ | 083-786-0243 |
🚗 アクセス
- 【バス】
- JR山陰本線「特牛(こっとい)駅」からバスで約13分、「薬師寺」バス停下車、徒歩2分
- 【車】
- 中国自動車道「下関I.C」から約72分
💖 まとめ
弘法大師が開いた歴史ある寺院と、自然のアート「俵石」。
眼下に広がる海士ヶ瀬の絶景とともに、心身を癒やすひとときを過ごせるスポットです。
近くには絶景で有名な「角島大橋」もありますので、ドライブの立ち寄りスポットとしてもおすすめですよ!