歴史の街・下関市長府。

城下町の風情が色濃く残るこのエリアに、「長門国惣社跡(ながとのくにそうじゃあと)」という史跡があるのをご存知ですか?

「惣社(そうじゃ)」とは、実は平安時代の国司たちが考案した、ある画期的なシステムの名残なんです。

今回は、古代の役人たちの知恵と、長府の歴史の深さを感じられるスポットをご紹介します。


⛩️ 「惣社」ってなに?平安時代の画期的なシステム

「惣社(そうじゃ)」とは、簡単に言うと国内の神社を一つにまとめた合同神社のことです。

国司たちの悩みと解決策

大化の改新(645年)以降、中央から派遣された国司(今の県知事のような役職)にとって、着任後の最初の仕事は、管内にある全ての神社を巡拝することでした。

しかし、広い国中をすべての神社へお参りするのは大変な重労働。時代が下って平安中期になると、次第にそのしきたりも怠りがちになっていきました。

そこで考案されたのが、国府(役所)の近くに**国内の神社の神様を合祀した「総社」**を建て、そこにお参りすることで全てを巡ったことにする、というシステムです。

いわば、古代の「効率化」や「時短」のための施設だったわけですね。


📍 今も残る地名「惣社町」

かつて長門国府があった長府。

国衙(役所)にほど近い場所に長門国の総社が建立され、昭和40年代まではその社の一部を見ることができたといいます。

現在、社殿は残っていませんが、このあたりの地名は今でも「惣社町(そうじゃちょう)」と呼ばれています。

地名そのものが、かつてここに国中の神様が集まる重要な場所があったことを、静かに物語っているのです。


ℹ️ 基本情報&アクセス

長府散策の際は、ぜひこの歴史ある場所に立ち寄って、古代の風景に思いを馳せてみてください。

項目内容
スポット名長門国惣社跡
所在地下関市長府惣社町
お問い合わせ083-246-1120(長府観光会館)

🚗 アクセス

  • 【バス】
    • JR「長府駅」からバスで約7分、「城下町長府」下車、徒歩10分
    • JR「下関駅」からバスで約23分、「城下町長府」下車、徒歩10分

💖 まとめ

国中の神様へのお参りを一箇所で済ませてしまおうという、平安時代の人々の合理的な発想。

「長門国惣社跡」は、そんな歴史の面白さを感じられるスポットです。

城下町長府のレトロな街並みを歩きながら、ふと足元の歴史に目を向けてみませんか?


長府エリアの古民家カフェでのランチ情報や、近くの国宝「功山寺」の観光情報についてもご紹介できますが、いかがでしょうか?

By kyushutv

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