下関の奥座敷・川棚温泉の近くに、**「たった一本の木なのに、まるで森のように見える」**不思議な場所があるのをご存知ですか?
その名は「川棚のクスの森(かわたなのくすのもり)」。
樹齢1000年を超える巨大なクスノキが、四方八方に枝を広げる姿は圧巻の一言。国の天然記念物にも指定されている、生命力あふれるパワースポットです。
今回は、見る者を圧倒する巨木のスケールと、その根元に眠る戦国武将の愛馬の伝説をご紹介します。
🌳 枝張り40m超!「森」と呼ばれる一本の木
この木が「クスの森」と呼ばれる理由は、その規格外の大きさにあります。
数字で見る「クスの森」
- 樹齢: 1000年余り
- 幹周り: 約10メートル
- 枝張り: 東西46.5m、南北49m
一本の幹から18本もの枝が四方に広がり、うっそうとした森のような景観を作り出しています。
その壮観な姿から、大正11年には国の天然記念物に、平成2年には**「新日本名木百選」**にも選ばれました。
🐎 根元に眠る愛馬。「ひばり毛」の悲しい伝説
この巨木には、ある戦国武将と愛馬の悲しい物語が秘められています。
主君を守って散った名馬
天文20年(1551年)、家臣・陶晴賢の謀反により追われた**大内義隆(おおうちよしたか)**公は、愛馬「ひばり毛」と共にこの地へ逃れました。
しかし、最後の戦いでひばり毛は敵の刀に傷つき、命を落としてしまいます。
悲しんだ義隆公は、そばにあったこのクスノキの根元に愛馬を葬り、その霊を祀りました。
これが、この木が「霊馬神(れいばしん)」とも呼ばれるようになった由来です。
🍃 山頭火も一句。「青あらし」吹く巨木
すぐ近くには、漂泊の俳人・種田山頭火の句碑も建てられています。
大楠の枝から枝へ青あらし
青葉を揺らして吹き抜ける風(青あらし)と、どっしりと構える大楠。
この句は、クスの森の力強い生命力と、歴史を見守ってきた風情を見事に表現しています。
💡 基本情報&アクセス
川棚温泉から車で約8分。温泉旅行の立ち寄りスポットに最適です。
| 項目 | 内容 |
| スポット名 | 川棚のクスの森 |
| 所在地 | 下関市豊浦町川棚下小野 |
| 指定 | 国指定天然記念物 |
| お問い合わせ | 083-774-1211(豊浦町観光協会) |
🚗 アクセス
- 【バス】
- JR「川棚温泉駅」からバスで約11分、「浜井場」下車、徒歩6分
- 【車】
- JR「川棚温泉駅」から約8分
- 中国自動車道「小月I.C」から約26分
💖 まとめ
1000年の時を超えて枝を広げる「川棚のクスの森」。
その木陰に入れば、圧倒的な自然のパワーと、静かに眠る歴史のロマンを感じることができるはずです。
川棚温泉でリフレッシュした後は、この神秘的な森で深呼吸してみませんか?