下関市豊浦町、静かな山里にひっそりと佇む貴重な史跡をご存知でしょうか?

その名は「岩谷十三仏(いわやじゅうさんぶつ)」。

室町時代後期に自然の岩肌に刻まれたこの石仏群は、歴史のロマンと人々の深い感謝の心が込められた、知る人ぞ知るパワースポットです。

今回は、自分の干支の守り本尊にも出会える、岩谷十三仏の魅力と不思議な伝説をご紹介します。


☔ 殿様への感謝が生んだ奇跡!「雨乞い」の伝説

この石仏群が作られた背景には、ある戦国武将と村人たちの、心温まる物語が残されています。

逃げ延びた大内義隆公と「ばんばら楽」

かつて、陶隆房(後の晴賢)の謀反により追われた大名・**大内義隆(おおうちよしたか)**公が、この岩谷の地に隠れ住んでいたことがありました。

その際、助けてくれた村人たちへのお礼として、義隆公は「ばんばら楽」という芸能を記した巻物を残したといいます。

雨乞いの奇跡と十三仏の造立

その後、村が大干ばつに見舞われた際、村人たちは義隆公への供養と雨乞いのために、その「ばんばら楽」を熊野神社に奉納しました。するとたちまち大雨が降り、村は救われたのです。

この奇跡に感謝した村人たちが、義隆公の冥福を祈り、造り上げたのがこの十三仏だと伝えられています。


🙏 自然の岩に刻まれた、慈悲深い13の祈り

岩谷十三仏は、高さ約1メートルから2メートルの自然の岩肌に彫られています。

長い年月を経て風雨にさらされてきましたが、その表情は今も穏やかで慈悲深く、見る人の心を静かに癒やしてくれます。

十三仏とは?

亡くなった方の初七日から三十三回忌まで、十三回の追善供養を司る仏様たちのこと。それぞれが慈悲の心を持ち、人々を極楽浄土へと導くとされています。


🐭 あなたの守り本尊は?「干支守護仏」めぐり

ここを訪れたらぜひチェックしたいのが、「干支(えと)守護仏」です。

十三仏のうちの八尊は、それぞれの干支を守る仏様としても信仰されています。

  • 千手観音(子年)
  • 虚空蔵菩薩(丑・寅年)
  • 文殊菩薩(卯年)
  • 普賢菩薩(辰・巳年)
  • 勢至菩薩(午年)
  • 大日如来(申・未年)
  • 不動明王(酉年)
  • 阿弥陀如来(戌・亥年)

自分の干支の守護仏にお参りして、幸運や健康を祈願してみてはいかがでしょうか。


ℹ️ 基本情報&アクセス

歴史、信仰、そして自然が融合した静寂の空間へ、心を整える旅に出かけてみませんか?

項目内容
スポット名岩谷十三仏(いわやじゅうさんぶつ)
所在地下関市豊浦町川棚中小野
時代室町時代後期
お問い合わせ083-774-1211(豊浦町観光協会)

🚗 アクセス

  • 【バス】
    • JR山陰本線「川棚温泉駅」からバスで約13分、「岩谷口」下車、徒歩20分
  • 【車】
    • JR山陰本線「川棚温泉駅」から約10分
    • 中国自動車道「小月I.C」から約29分

💖 まとめ

戦国の世の逃避行と、村人たちの感謝の祈りが生んだ「岩谷十三仏」。

静かな山あいで石仏と向き合う時間は、現代の忙しさを忘れさせてくれるひとときになるはずです。

川棚温泉への旅行の際は、少し足を伸ばして、この歴史あるパワースポットを訪れてみませんか?

By kyushutv

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